2017年11月02日

琥珀の夢 単行本

伊集院静「琥珀の夢」が単行本になり、集英社から10月5日に発売されています。



上下2巻で、鳥井信治郎が明治〜昭和を駆け抜けた姿が生き生きと描かれています。

上巻は、両替商の次男として生まれた信治郎が、薬問屋小西儀助商店(今のスリーボンド)に丁稚奉公に入り、修行する日々。

下巻は、鳥井商店の開業、赤玉ポートワインの完成、そして何よりも、今のサントリーを築いた国産ウィスキー作りへの情熱が伝わるストーリーです。


日経新聞で読まなかった方はもちろん、読んだ方もぜひ単行本でじっくりと味わってみてくださいね!

琥珀の夢 上 小説 鳥井信治郎




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2017年08月27日

琥珀の夢(412)信治郎死す

昭和37年2月20日早朝、鳥井信治郎は永眠した。享年83だった。
翌21日に密葬が行われ、25日に大阪四天王寺で社葬が行われた。

葬儀委員長は国分商店社長、国分勘兵衛、喪主は鳥井信一郎、弔事は総理大臣池田勇人から始まり、社員代表で作田耕三取締役が涙ながらにのべた。弔電2000通、会葬者は5000人を超えた。


葬儀から4ヶ月後、敬三は社内にビール営業部を新設した。府中のビール工場は急ピッチで進んでいたが、競合他社の攻勢は目に見えて厳しさを増していた。

発表するビールは3度の欧州訪問のによる数百種のビール試飲・検討の末、デンマークのカールスバーグの生ビールの味覚に決定し、提携を経てあらゆるノウハウを吸収した。


寿屋全体が久しぶりに熱気に満ち溢れたが、1つ問題が残っていた。ビール流通の隘路が打開できずにいた。

販売店が寿屋のビールを置かないというのである。
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2017年08月18日

琥珀の夢(403)サントリーオールド

昭和25年4月1日、寿屋の最高級ウイスキー「オールド」が発表された。
そのボトルの形状、色の妙味から「ダルマ」と呼ばれ話題になったオールドである。

一番の注目は価格だった。社内にもあった反対を押し切って、信治郎はそれまでの日本のウイスキーで最も高い価格で売れと命じた。

(余談:今はこんなプレミアム品「ひょうたんボトル」も。)



全国の問屋・特約店も驚いたが、商品を陳列してみるとオールドは売れ続けた。信治郎に自信があった。

「トリス」「白札」「角瓶」というこれまで築いたラインアップに親しんできてくれた顧客が、ひとつ上のウイスキーを受け入れてくれるはずだという確信があった。


信治郎が夢に描いていた、日本人が本物のウイスキーを飲む時代が来ようとしていた。
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